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遅れてきたNotesエンジニアがクラウド活用について思いを巡らすブログ

CIO養成講座の第一回目に参加してみた

今年度はいろいろと広い視野をもてるようにしたい、という個人的な野望があり、外部の勉強会やイベントで何か面白そうなものがないかアンテナを張っています。

 

そんな中で前から気になっていた、日経情報ストラテジー主催の「CIO養成講座」を受けたいと会社にお願いし、受けさせてもらえることになりました。一か月に一回ペース、全5回の講座で、先日その第一回目がありました。

 

有料のセミナーなのでもちろん細かい内容は話せないのですが、感じたことをいくつか書き留めておきたいと思います。

 

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 当日会場で配られたテキストなど

 

「投資」という観点からITプロジェクトを見直す

講師は盛岡謙仁さんという、肩書としては「経営・情報システムアドバイザー」の方です。百戦錬磨で多くの経営トップとやりあってきた感じのプンプンする実力派の方で、言葉に重みがあります。1日かけてのセミナーですが、眠くなる暇がありませんでした。

 

第一回目のテーマは「CIOの役割と経営成果を実現する情報システム企画の進め方」でした。昨今のIT環境の変化とそれに伴うCIOの役割といった話からスタートし、

 

  • 現状分析をした上で、
  • 投資対効果を予測し、
  • 適切なIT投資を意思決定する

 

という、言葉にすると簡単ですが、一つ一つが非常に困難な宿題に関して、それぞれをどのように実施するか、具体的な手法などを学んでいく内容でした。

 

印象的だったのは「きちんと現状分析されていないと、そもそもITプロジェクトの成功/失敗の判断ができない」という話です。

 

我々ITベンダーからすれば、注文をもらった内容(成果物)を、納期を守って納めれば終了ですが、発注する側はそうではなくて、そのあとに、「で、効果はどうだったの?」という質問をさらにエラい人からされてしまうわけです。

 

これに明確に答えられる情報システム部は優秀だと思いますが、どの程度できているもんなんですかね?なかなか難しいからこの講座が流行ってるんだとは思いますが。。(結構、名だたる企業の方々が出張とかまでして参加しているようでした)

 

しかも、現状分析して出した指標に基づいてしか、投資の効果を判断できないのです。

 

どういうことかというと、例えばある製造業で、試作品を作るのに毎回○円のコストがかかっている、それをなんとかしようという場合、

 

 ・営業マンが顧客にヒアリングする時間 ○円

 ・製造部への情報引き渡しにかかる時間 ○円

 ・製造部が必要な部品を選定する時間 ○円

 ・管理部門が試作品製作の進捗を管理する時間 ○円

 などなど

 

といった感じで、まず試作品の製作にかかわる全業務プロセスを明らかにし、それに時間と人件費等の指標を掛け合わせてコストを割り出します。

 

この現状のコストが、例えば「製造業向けCRMアプリケーション」の導入により、どの程度減るのか?ということを、プロジェクト開始前に見極めるのです。しかも、この洗い出しに抜け漏れがあると、正確な効果を測定できません。なので、現場部門などを巻き込んで、ダイナミックなヒアリングや調査が必要になるわけです。これは、会社全体に顔が利かないと難しいでしょう。

 

なるほど、これは殆どIT技術の世界というよりも経営戦略論に近いものです。ですが、ITの知識も相当ないとできないのもまた事実です。

 

我々ITベンダーに発注が来る前段階、いわゆる最上流のところでは、日々こういう模索があって、経営幹部とともにCIOがウンウン唸っているのです(たぶん)。いやぁ、すごい世界です。

 

ただ、個人的な感想として思うのは、なんとなく日本企業の場合、もっと技術的な細かい話、例えばこのボタンはカスタマイズで消せないのか、とか、AをやったらBも自動処理して欲しい、とかの話を延々としている印象があります。それも大事なんでしょうが、全体として投資対効果を出す、あるいは企業活動へITが貢献する、という観点とは、ちょっとずれた各論に偏ってしまっているのではないかと思い、そのあたりが歯がゆいなぁと、研修後に自分の受信ボックスを眺めていて思ったのでした。

(立場が違うので私から見えてる景色が違うだけかもしれませんが。。)

 

という感じでまだまだ続くCIO養成講座、果たしてCIOの考え方は身につくのでしょうかね?頑張ります。

 

 

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会配られたお弁当(ぶれてる)