Lotus1-2-365 blog

遅れてきたNotesエンジニアがクラウド活用について思いを巡らすブログ

Softlayer上にDominoサーバーを構築する 4.SendGridと連携するSMTPメールの送信設定

前回までの記事で、Softlayer上にDominoのWebサーバーが立ち上がりました。次に、同じDomino上でSMTPサーバーとしての設定を行い、インターネットの世界とメールを送受信できるようにしたいと思います。

 

自前で立てたDominoサーバーから、同じDominoサーバー内のユーザーにNotesメールを送るのは簡単です。ユーザーを登録すればNotesユーザー名どうしでやり取りできます。

しかし外部、例えばGmailのアドレスにメールを送るにはいったいどうすればいいでしょうか。普段、社内のDominoサーバーを管理している方でも、メールのドメイン取得やDNSの設定を含めてすべての構築に携わっている人は少ないのではないかと思います。なんとなく最初から設定されていて、動いている。そんな感じではないでしょうか。そんな風に想定して、少し丁寧に、必要な設定を書いてみたいと思います。

 

SMTPメールのリレー先プロバイダを設定する

Dominoサーバーが外部にメールを送信する場合、リレー先となるサーバーが必要です。多くの企業は、自社のメールリレーサーバーへ転送していると思います。比較的小規模な会社であれば、直接NTTコミュニケーションズなどのプロバイダのグローバルIPに向けてメールを中継しているケースもあります。

 

ここでは、検証用の環境ということもあり、メールリレーサーバーはいませんし、有料のプロバイダを契約するのもちょっとコスト的に厳しいので、どこに中継するかちょっと迷うところです。

 

そんな時、Softlayerにいいサービスがあります。「SendGrid」というSMTPメールリレーのサービスです。このサービスを利用することで、月に25,000通まで無料でインターネットの世界とメールを送受信することができます。

 

SendGridのサービス申し込み

 

 Softlayerのポータル画面から「Services」>「Order Email Delivery Service」を選択します。サービスタイプを選ぶ画面になりますので、「Free Package」を選択します。

 

f:id:gotus456:20160417163440j:plain

 

次に、SMTP認証に使うユーザー名とパスワードを設定して、注文を確定します。

ここまでで、SendGridの申し込みは完了です。

 

続いて、Dominoサーバー側の設定です。

 

リレーサーバーの指定

 

Dominoディレクトリを開き、サーバー設定文書を作成します、「ルーター/SMTP」タブで以下を設定します。

 

  • 「ローカルインターネットドメイン外にメールを送信する時、SMTPを使用」:有効
  • 「ローカルインターネットドメインから送信されるメールのリレーホスト」:smtp.sendgrid.net
  •  「リレーホストにメッセージを送信する際に認証を使用する」:有効にし、SendGrid申し込み時に指定したユーザー名とパスワードを設定

f:id:gotus456:20160417164114j:plain

 

 

SMTPのポート番号の変更

 

通常の社内のメールリレーであれば、これだけでリレーできそうですが、SendGrid側はSMTPのアウトバウンドポートを25でなく、2525番ポートで受け付けていますので、Domino側の設定もポート番号を変えます。

 

  •  サーバー文書>「ポート」タブ>「インターネットポート」「Mail」SMTP Outboundの番号を2525に設定

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グローバルドメイン文書の設定

 

自社のインターネットドメインと、「@gmail.com」などの外部ドメインとを区別するため、自社のドメインをグローバルドメインとして設定します。

 

f:id:gotus456:20160417164514j:plain※基本タブ

 

f:id:gotus456:20160417164543j:plain

※変換タブ

 

これで、メールを外部に送信できるようになりました。

Dominoサーバー上に、ここで設定した独自ドメインのインターネットドメインを含むメールアドレスを持つテストユーザーを数名登録しておきましょう。

 

次回は、インターネットメールを受信するための設定をしていきます。